学校総選挙プロジェクト

若者こそ選挙に行こう!

株式会社笑下村塾 たかまつなな

もう大人たちには任せられない

今、地球が悲鳴を上げています。異常気象により災害が増え、世界から戦争は無くならず、貧富の差が広がり、海をプラスチックで汚しています。日本の未来も、お先真っ暗です。借金が膨れあがり、人口が減り続けています。大人たちは、課題を先延ばしにして、私たちに押し付けているのです。今、変わらないといけない時。大学入試改革も、9月入学も、今の教育に危機感を持った高校生が立ち上がり議論になりました。大人たちは見てみぬふりをします。だから、私たち若者が立ち上がらなければなりません。「政治とは何か」「なぜ選挙に行かないといけないのか」「私たちに何ができるのか」ここでは考えていきたいと思います。

政治とは、お財布の使い道を決めることだ

「政治」とは一体何でしょうか?いろんな考え方がありますが、私が考える政治とは、大きなお財布の使い道を決めることです。「医療費に回してほしい」「いや、教育費こそ必要だ」いろんな考えの人がいる中、できるだけ不公平が生じないように調整し、ルールを作る。それが政治家の仕事です。日本が1年間で使えるお財布の中身は、100兆円です。こちらは、お財布の使い道を種類別に示した図です。このうち、教育費の予算は、どれだと思いますか?

図(たかまつなな著『政治の絵本』より)1
図(たかまつなな著『政治の絵本』より)

どれだか、考えてみてください。

図(たかまつなな著『政治の絵本』より)2
図(たかまつなな著『政治の絵本』より)

実は、教育の予算は、たったの5%(黄色の部分)。教育や研究に使えるお金は約5兆円なのです。これは、先進国の中でもめちゃくちゃ低い数字です。

選挙に行かないと損をする若者

なぜ、こんなに少ない予算なのでしょうか。じつは、選挙と関係があるのです。朝日新聞の記事によると、若者が投票に行かないと、その分、教育費が減り、社会保障費などが増えるそうです。若者の投票率が1%減ると、1人当たり年 13 万 5000 円の損をするというのです[i]。

「今回の選挙で 20 代の投票率は3% 下がった」と聞いて、「そんなに変わらない」と思っても、1人約 40 万円も損することになります。どうして、こうなるのでしょう。お笑い芸人が客層を見てウケるネタを選ぶのと同じように、政治家は選挙に来る人を見て、ウカるネタ(政策)を決めるからです。若者は選挙に行かないせいで、損をしているのです。

黙っていたら若者が損をするというこの現実、じつは選挙に行けば変えられる可能性があります。若者が選挙に行くことで、政治家に「若い人向けの政策も用意しなきゃ」と思わせられます。

投票先の選び方とは?

「選挙に行った方がいいのは、わかった!でも、誰に入れていいか、わからないよー」という方のためにヒントです。私が投票先を選ぶ時に大事にしている3つのポイントをご紹介します。

➀政策 イメージ

➀政策

  • ・自分が気になる分野に対して何を言っているのか。共感できるか。
  • ・選挙公報、ポスター、SNS、討論会、政見放送などから確認する。
➁人格 イメージ

➁人格

  • ・政策をみて、いいことが書いてあっても本当にその人ができるのか。
    嘘をつかないか。選挙のときだけいい顔をしていないか。疑ってみる。
  • ・コロナなど予測不可能なことに柔軟に対応できるのか。
    実績、原体験、言葉、今までの言動から観察するのが大事。
    (候補者の発信はもちろんのこと、どんな人が推薦しているか、応援しているかなどから見えてくるものもあります)
➂選挙情勢を見て イメージ

➂選挙情勢を見て

  • ・今の政治家がいいと評価するなら、その人に
  • ・今の政治家は嫌なら、2番目に人気の人に
  • ・今の政治家になってほしいけど、批判したい気持ちを伝えたいからあえて違う人に。
    2番目の人か、一押しの政策がある人にいれる。

大体このような基準で投票しています。でも、迷っても選ぶことが大切です。バカだからわからないといって投票にいかないのはもったいないです。自販機で飲み物を買いたい時に、選べないから、喉がカラカラでも我慢するなんてことないですよね?なんとなく気分で、気軽に選んでもいいんです。だから自分の1票を大切にしてください。

選挙に行った方がいい理由

選挙は誰にでも与えられている平等な権利です。広瀬すずの1票とたかまつななの1票が同じ価値なんです。ギャラ何倍違うんだよ!!と思いますが、こんなに平等に扱ってもらえること滅多にありません。それで社会が動いていきます。変わっていきます。悲しいことに、選挙に行く人が少ないと「選挙で入れてね!そのかわり、えこひいきしてあげるよ!」と特定の団体と癒着しやすくなっちゃいます。30人のクラスで学級委員長を選挙で選ぶ時に、1人しか選挙に行かなかったら、1人を説得すれば選ばれちゃいます。だから、みんなが選挙にいけば、特定の人にえこひいきできなくなります。特に、若い人は選挙に行かないから、若者に向けた政策が少ないです。選挙に行って、若者に向けた政策を増やしましょう。

△もし欠席者の4人も投票していれば、学級委員長は違う人だったかもしれません
△もし欠席者の4人も投票していれば、学級委員長は違う人だったかもしれません

中高生のうちからできることって?

自分の町の課題を知る、税金の使われ方を調べてみる。地域の課題を地元の政治家に変えてほしいと伝えてみる。何か特定の社会問題について声をあげてみる、署名活動をしてみる。選挙以外にもできることはたくさんあります。自分の周りでおかしなことが起きていた時に、いじめられている人がいた時に、見てみぬふりをせずに、声をあげてみましょう。調べてみましょう。選挙に参加すること以外もできることはたくさんあります。一人でも多くの若者が政治に関わろうとすることで、政治は若者の存在を無視することができなくなります。若者には社会を変える力があります。一緒に未来をつくりましょう。

もっと政治の基本を知りたい方は、『政治の絵本』をぜひご一読ください。

https://shop.tsutaya.co.jp/book/product/9784335460401/
政治の絵本 学校で教えてくれない選挙の話 たかまつなな

[i] 東北大学大学院の吉田 浩 教 授による研究(朝日新聞 2013 年 7 月 20 日より)

たかまつななプロフィール

たかまつなな

お笑いジャーナリスト ピン芸人
株式会社 笑下村塾取締役

1993年神奈川県横浜市生まれ。慶應義塾大学大学院政策メディア研究科、東京大学大学院情報学環教育部修了。お笑いジャーナリストとして、現場に取材に行き、お笑いを通して社会問題を発信している。18歳選挙導入を機に、株式会社 笑下村塾を設立し、政治を面白く伝えるため、全国の学校へ出張授業「笑える!政治教育ショー」を届ける。フェリス女学院出身のお嬢様芸人としてデビューし、多数のバラエティ番組に出演。また「朝まで生テレビ」「NHKスペシャル」などに出演し、若者へ政治意識の喚起を促す。著書に『政治の絵本―学校で教えてくれない選挙の話』(弘文堂)、『お笑い芸人と学ぶ13歳からのSDGs』。(くもん出版)。 R-1ぐらんぷり2013セミファイナリスト/日本テレビ「ワラチャン!」優勝/ABCお笑いグランプリファイナリスト/JICA「なんとかしなきゃ!プロジェクト」著名人メンバー 資格:中学校教諭一種免許状(社会)/高等学校教諭一種免許状(地歴・公民)/司書教諭/高等学校教諭専修免許(公民)/中学校教諭専修免許(社会)

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